法事に贈るスタンド花とは?選び方や注意点などを解説

故人をしのぶ行事である法事。贈る花のスタイルとして、花束やフラワーアレンジメントがよく選ばれていますが、スタンド花は贈らないほうが良いのかと迷っている方はいるのではないでしょうか。

本記事では、法事におけるスタンド花の役割をはじめ、法事に適したスタンド花の選び方を解説します。スタンド花を贈る際の注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも法事とは

法事とは、故人の冥福を祈り、遺族や親族などが集まり追悼する仏教行事です。単に故人をしのぶだけでなく、遺された人々が集い、故人との思い出を語り合うことで悲しみを分かち合い、互いに心の支えを得るための大切な機会でもあります。

法要との違い

法事と似た存在で法要がありますが、どのような違いがあるのかいまいち分からないという方は少なくありません。

法要は法事の一つであり、読経や焼香などを行って故人を供養する儀式のことをいいます。法要を通じて故人を供養し、「故人の来世がより良いものになりますように」といった願いを込めて行われます。

一般的な法事の種類

一般的な法事の種類は以下の通りです。

法事 時期
初七日 死後7日目
四十九日 死後49日目
百ヶ日 死後100日目
一周忌 死後1年後
三回忌 死後2年後
七回忌 死後6年後
十三回忌 死後12年後
十七回忌 死後16年後
二十三回忌 死後22年後
二十七回忌 死後26年後
三十三回忌 死後32年後
五十回忌 死後49年後

上述した法事は、地域や宗派によって営まれる時期や内容が異なる場合があるので注意してください。

仏式以外の宗派の法事

日本では仏教徒が多く、仏式での法事が一般的です。しかし、故人や遺族の信仰する宗教は仏教に限らず、さまざまなケースが存在します。

宗派 法要の名称
神道 霊祭:翌日際、十日際、二十日際 など

式年際:一年際、三年際、五年際 など

キリスト教(プロテスタント) 記念式:死後7日目、10日目、1ヶ月目などに行う
キリスト教(カトリック) 追悼ミサ:死後3日目、7日目、30日目に行う

死者記念ミサ:1年目に行う

上記のように、仏教以外の宗派にも法事にあたる儀式があります。それぞれの宗教や宗派によって、儀式の内容や名称、作法などが異なるため、スタンド花を贈る際にはそれぞれの宗教や宗派の慣習に配慮することが大切です。

法事におけるスタンド花の役割

法事におけるスタンド花の役割としては、主に2つ挙げられます。

  • 故人をしのび哀悼の意を表す
  • 華やかさと厳粛な雰囲気を演出

ここでは、それぞれの役割について詳しく解説します。

故人をしのび哀悼の意を表す

仏教では、生花をお供えすることで故人の霊を慰め、供養する意味があるとされています。 そのため、法事では故人をしのび哀悼の意を表すために、供花を贈るのが古くからある習わしです。

スタンド花にはさまざまな花が使用されており、故人の死を悼み遺族を慰める気持ちを表す際に役立ちます。たとえば、白色なら哀悼や潔白などを表現でき、緑色なら安らぎや癒しを伝えられます。

スタンド花で活用する花にはそれぞれ意味があるため、故人への気持ちを込めて適切な色を選びましょう。

華やかさと厳粛な雰囲気を演出

会場となる斎場などに飾られるスタンド花は、厳粛な雰囲気の中に華やかさを添え、故人をしのぶ気持ちをより一層引き立てます。具体的には、色鮮やかなスタンド花なら明るく優しい雰囲気になり、上品なスタンド花なら厳かで落ち着いた雰囲気になります。

スタンド花はその場にふさわしい雰囲気を演出し、故人を送るのにふさわしい空間を演出することが可能です。華やかながらも、厳粛な場にふさわしい上品さを兼ね備えていることが、法事に飾るスタンド花の大きな特徴といえるでしょう。

法事にふさわしいスタンド花の選び方

法事にふさわしいスタンド花を選ぶ際は、以下の3点を意識するのがおすすめです。

  • 故人をしのぶ落ち着いた色合いを選ぶ
  • 故人や遺族に配慮した花を選ぶ
  • 予算を考慮した上で選ぶ

ここでは、それぞれの選び方について具体的に紹介します。

故人をしのぶ落ち着いた色合いを選ぶ

法事にふさわしいスタンド花の色合いは、故人をしのび哀悼の意を表す場にふさわしい落ち着いたものが基本です。派手な印象の色は避け、白色や黄色など、落ち着いた色合いの花を中心に選ぶようにしましょう。

落ち着いた色合いを組み合わせることで、より洗練された印象を与えられます。ただし、地域や宗派によって色の持つ意味合いが異なる場合があるので、事前に確認しておくのが無難です。

故人や遺族に配慮した花を選ぶ

故人をしのび、遺族の方々に寄り添う気持ちを込めてスタンド花を贈る際には、花選びにも配慮が必要です。定番のキクをはじめ、ユリやカサブランカ、トルコキキョウなどがよく選ばれています。

また、最近では故人が生前好きだった花を活用するケースも多くあります。

ただし、法事では避けたほうが良いといわれる花があるので注意が必要です。具体的には、トゲのある花や毒のある花、香りが強すぎる花は避けるべきです。

それだけではなく、遺族が苦手としている花がある場合もあるので、事前に確認しておいたほうが良いかもしれません。

予算を考慮した上で選ぶ

スタンド花は、大きさや花の種類、デザインによって価格が大きく異なります。予算に合わせて最適なスタンド花を選ぶことが大切です。

一般的なスタンド花の価格相場は、1段のもので1万円~2万円程度、2段のもので2万円~3万円程度が目安です。予算を抑えたい場合は、1段のスタンド花を選んだり、花の種類を比較的手頃な価格の花にしたりなどの方法があります。

また、複数の供花が予想される場合は、他の参列者と金額が大きくかけ離れないように相場を事前に確認しておくのがおすすめです。

法事でスタンド花を贈る際の注意点

法事でスタンド花を贈る際、押さえておきたい注意点が2つあります。

  • 式場などの広さにサイズを合わせる
  • 地域などによってマナーが異なるので事前確認する

最後に、それぞれの注意点について解説するのでぜひ参考にしてください。

式場などの広さにサイズを合わせる

スタンド花はその場に華やかさを添える一方で、他の参列者の邪魔になったり式場の雰囲気を壊してしまったりする可能性があります。そのため、スタンド花のサイズ選ぶ際は式場の広さを考慮し、適切なサイズをチョイスするのが重要です。

たとえば、小規模な斎場やスペースが限られている場合は高さ150cmで比較的コンパクトなサイズにし、天井や広さに余裕がある斎場なら高さ180cmの一般的なサイズを選ぶと良いでしょう。

ただし、場所によっては設置可能なサイズが決められている場合もあるため、贈る前に一度斎場などに確認しておくのがおすすめです。

地域などによってマナーが異なるので事前確認する

スタンド花を贈る際には、地域や宗派によって異なるマナーが存在することを理解しておくことが重要です。

地域や宗派によっては好ましくない花の種類や色の組み合わせが存在する場合があります。そのような点に配慮しなければ、失礼な行為になってしまうかもしれません。

地域性や宗派などに関して不明な点がある場合は、葬儀社や花屋に相談することをおすすめします。

まとめ

法事は故人をしのび、遺族を慰める大切な儀式です。スタンド花は、華やかさを添えつつも厳粛な場にふさわしい供花として選ばれています。

スタンド花を選ぶ際は、落ち着いた色合いで故人や遺族に配慮した花を選び、斎場などの広さに合わせたサイズを選びましょう。ただし、地域や宗派によってマナーが異なる場合があるので、事前に確認しておくことが肝心です。

ぜひ本記事を参考に、法事におけるマナーを守りながら故人をしのぶスタンド花を用意していきましょう。

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