スタンド花は、さまざまなお祝いのシーンをはじめ、お悔やみのシーンにも贈られます。
スタンド花を贈る際に欠かせないのが「札」です。
立て札や木札と呼ばれる、「何のお祝いなのか」「誰から贈られたものなのか」を明確にする役割を持った名札のことを指します。
初めてスタンド花を贈る際には、札の役割や立て札の書き方などがわからないことも多いでしょう。しっかりとした知識を持たないままスタンド花を贈ってしまうとマナー違反になる可能性もあるため、注意が必要です。
そこで本記事では、スタンド花に付ける札の役割や書き方、マナーについてご紹介します。
スタンド花を贈るときの札とは?
お祝いや葬儀などの場面で贈られることの多いスタンド花ですが、スタンド花には立て札やメッセージカードといったものが付けられています。お祝いや葬儀などの場面では主に立て札が用いられ、誰から贈られた花なのかがわかるように付けられています。これは、御祝儀などに名前を書くのと同じように、熨斗の役割を果たしているのです。この立て札は、花の中心に立てられます。
メッセージカードは主に立て札とは別に、メッセージを送りたい場合にプラスして付けられています。お祝いの場面などで使用されることが多く、個人的なお祝いの言葉と共に、送り主の名前が添えられます。現在ではメッセージカードの種類も豊富であり、その場面ごとに応じてカードの色やデザイン、書体などを選ぶことができます。そのため、立て札と共に贈る相手にお祝いなどの気持ちを伝えたいときに利用されることが多いです。
立て札の種類
スタンド花の札には、木札と紙札の2種類があります。書き方は縦書きと横書きどちらかを選べるので、贈るシーンによって使い分けしょう。
木札と紙札の違い
スタンド花の札には、木札と紙札の2種類があります。
木札は木の板に直接印刷されたもので、高級感があり長持ちします。一方で紙札は紙に印刷されたもので、価格は木札より安価です。
木札 | 紙札 |
素材が木製で高級感あり | 紙製で安価 |
長期間使用可能 | 短期間で劣化 |
贈答用に適している | 一時的な用途に適している |
このように用途や予算に合わせて、木札か紙札を選ぶことができます。 ビジネスシーンでは木札を使うことが一般的です。
縦書きと横書きの選び方
立て札の書き方には縦書きと横書きの2種類があります。一般的には次のような基準で選ばれています。
縦書き | 横書き |
木札の定番 | 近年の新しい書き方 |
上質な印象 | カジュアルな印象 |
縦書きは伝統的で上品な印象を与えるため、ビジネスシーンやフォーマルな場面で多く使われています。一方、横書きはカジュアルな印象を与えるため、コンサートやイベントなどの華やかな場面で用いられることが多くなってきました。
贈る相手や用途に合わせて、適切な書き方を選ぶとよいでしょう。
贈るシーンごとの立て札のマナー
本項目では、スタンド花を贈るシーンごとの立て札のマナーをご紹介します。
- 開業・開店祝い
- 結婚式
- 葬儀
- ビジネス関係のイベント
- ライブ・コンサート
それぞれのマナーを詳しく見ていきましょう。
開業・開店祝い
スタンド花を贈ることが多い場面として、お店などの「開店・開業祝い」が挙げられます。スタンド花に付ける立て札の書き方は、その場面ごとに異なります。ここでは、開店、開業祝いのときの立て札の書き方について紹介します。
お店などの開店、開業の際に贈るスタンド花に着けられる立て札には、一般的にはその開店した店などの屋号と送り主の名前が記されます。この場合には、「祝御開店(開業)○○様○○より」と「スタンド花を贈る店の屋号+贈り主」となることが多いでしょう。
スタンド花を贈る相手が親しい相手などの場合には、「開店(開業)おめでとう」「開店おめでとうございます」などの少し砕けた書き方のメッセージを書くこともできます。
このように、開店、開業祝いの場合は「祝」を付けた後に開店や開業といった書き方をします。
結婚式
スタンド花は、結婚などのお祝いの場面でも贈られることが多くあります。ここでは、結婚のときに贈られるスタンド花に付けられる立て札の書き方について紹介します。
結婚などの場合に贈られるスタンド花は、かわいらしいデザインのものが多く、立て札もそれに合わせて変えられることがあります。スタンド花に付けられる立て札は、縦のものと横のものがありますが、結婚のときに使用される立て札は、横のものが良く使用されています。これは、花のデザインなどに合わせて「おしゃれな雰囲気」を出すためだといわれています。
立て札には、「祝結婚」や「祝御結婚」、「結婚おめでとう」といったメッセージが添えられ、結婚した二人の名前を「○○君○○さん」などと入れて、送り主の名前を入れます。このとき祝福の気持ちを込めたメッセージを書くことで、贈る側の気持ちを伝えることができます。
葬儀
スタンド花は、お祝い事のときだけではなく、葬儀などの場面でも多く贈られています。葬儀式のかしこまった席の場合は、スタンド花に付ける立て札の書き方はとても大切ですのでしっかりと覚えておきましょう。
葬儀などのときに贈られるスタンド花には、生前お世話になった故人へ感謝の気持ちや、お悔やみの気持ちが込められています。
葬儀の場面などで贈られるスタンド花を、夫婦で贈る場合にはその夫婦の「姓+連名(○○+○○)」と書くと良いです。グループで贈る場合には「○○有志」や「○○一同」と書きましょう。友人の場合にはフルネームで書くのが一般的です。その名前の上には「御供」と書かれる場合が多くあります。御供とは、神仏に供え物という意味です。
葬儀などのお悔やみに贈られるスタンド花の場合には、一般的には紹介したような書かれ方をしますが、花を贈る地域や文化、宗教によっても異なります。そのため、贈る場合には確認をしておくことをおすすめします。
葬儀という場面は故人や遺族に対してお悔やみをしっかりと伝える場ですので、立て札を付けたスタンド花を贈り、気持ちを伝えるようにしましょう。
ビジネス関係のイベント
会社の創立記念日や新商品発表会、社長就任式などのビジネスシーンでスタンド花を贈る際は、以下の点に留意しましょう。
- 冠文字は「祝」「賀」などの簡潔な表現を用います。
- 目上の方への贈り主の名は会社名や役職名のみでよく、個人名は避けましょう。
- 受取人の名は会社名や団体名のみで構いません。役職名を付ける必要はありません。
- おめでとうございますといった祝辞は、簡潔に「謹賀新年」など一言で済ませる程度がよいでしょう。
例: (冠文字)御祝 (贈り主)株式会社◯◯ (受取人)□□株式会社
個人的な付き合いが長いビジネスパートナーなどに贈る場合は、より丁寧な表現を心がける必要があります。
ライブ・コンサート
ライブやコンサートの場合、スタンド花の贈り主名は一般的に「ファンクラブ会員一同」「OO県在住のファン有志一同」などと記載されることが多いです。演者個人への直接的なメッセージは避け、簡潔に「頑張ってください」程度の言葉で祝福するのがマナーです。
一方で、演者の誕生日や記念日などの場合は、「OO県在住のファン有志一同」と記載し、さらに「○○さんの今後の活躍を心よりお祈り申し上げます」などの言葉を添えるのがおすすめです。
立て札を書く上でのマナー
立て札を書く際には、いくつかのマナーが存在します。
贈るシーンごとのマナーについては上記でもご紹介しましたが、本項目では以下の点をさらに詳しく見ていきましょう。
- 適切な言葉遣い
- 丁寧な言い回し
- 注意すべき表現
適切な言葉遣い立て札を書く上でのマナー
立て札には、冠文字や宛名など様々な情報を書く必要があります。そのため、言葉遣いにも気を付ける必要があります。 言葉遣いの基本は「です・ます調」で統一することです。丁寧な表現を心がけましょう。
例) × 頑張れ!
〇 頑張ってください
また、略語の使用も避けたほうがよいでしょう。
例) × 会社設立おめでとう
〇 会社設立おめでとうございます
立て札は花を贈る方の気持ちを伝える大切な役割を担っています。相手に敬意を払った言葉を選ぶことが大切です。
丁寧な言い回し
スタンド花の立て札には、目上の方への配慮として丁寧な言い回しを心がけるべきです。
具体的には、以下の点に気をつけましょう。
- 主語に「御」をつける(例:「御会社御発展」)
- 動詞に「御」をつける(例:「御健勝」)
- 受け身形にする(例:「当選祝ばれます」)
- 「ます」調を用いる
- 言葉遣いに注意する(例:「おめでとう」→「お祝い申し上げます」)
一方、親しい間柄や友人同士なら、丁寧さを重んじ過ぎる必要はありません。 むしろ気持ちの伝わる素直な言葉を選ぶほうが良いでしょう。状況に応じて使い分けることが大切です。
注意すべき表現
スタンド花の立て札には、慶事と弔事で異なる表現が求められます。
慶事の立て札は、「祝」の文字から始まります。例えば、 ・祝開店 ・祝公演 ・祝入園 など、お祝いの言葉が先頭に記されます。
一方、弔事の立て札は「供」「御供」といった字から始めます。これは「供物・供養の意味」を表しています。
また、弔事の場合、故人の名前は立て札に記されないのがマナーです。贈り主の名前を明記するのが一般的です。
弔事のスタンド花は、白や紫、青といった落ち着いた色が選ばれることが多いです。
まとめ
スタンド花の立て札には、正しい書き方やマナーが存在します。 札の種類として縦書きの木札、横書きの紙札があるので、用途に合わせて使い分けましょう。
ビジネスシーンなど、贈るシーンに応じた立て札のマナーを守ることが大切です。
今回ご紹介したように、スタンド花の立て札にはさまざまなルールがあります。立て札の適切な書き方を守り、気持ちの込もったスタンド花を贈りましょう。
立て札の書き方については以下の記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。