「開店祝い」や「引越し祝い」「結婚祝い」などのときに贈るスタンド花には立て札が必要だと言われていますが、どういう意味で付けるのだろうと思われている方もいるのではないでしょうか。
いざ自分がスタンド花を贈る立場になってみると、立て札について知らないことが次々と出てきて悩んでしまうということもあるでしょう。
疑問を解消しないままスタンド花を贈ると、相手に失礼となる場合もあるので注意が必要です。
今回はスタンド花の立て札について疑問がある人に向けて、立て札の種類からマナーなどのことについて解説していきます。
スタンド花の立て札はなぜ必要?
スタンド花に立て札を付けるのは、もともとはその花が誰から贈られたのか一目でわかるようにするのが主な目的でした。「開店祝い」や「結婚祝い」などの際には多くの人からスタンド花が贈られるため、立て札がないと贈り主が誰だかわからなくなってしまいます。
結婚式などの慶事で祝儀袋を贈る場合でも、袋に自分の名前を書くのがマナーとされていますが、これはスタンド花の立て札と同様に差出人を明確にするのが目的です。
ただ、祝儀袋などと違ってスタンド花は店舗や会場に飾られ、立て札とともに大勢の来場者の目に触れることになります。スタンド花の中央で目立つ位置に贈り主の名前が記された立て札を立てることで、大勢の人たちに自分の名前をアピールすることができます。
贈り主が企業であればスタンド花の立て札が広告と同様の効果を発揮し、会社の認知度を高めるのに役立ちます。スタンド花の贈り主が知名度の高い企業や人物だった場合は、贈り先にとっても来店客や来場者に対するアピール効果は絶大です。
さまざまなお祝い事の機会にスタンド花を贈り合えば、互いに交友の広さを示すことができるという双方のメリットがあります。このようにスタンド花に付けられる立て札には贈り主を区別するという本来の目的を超え、社会的に見ても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
スタンド花に付ける立て札の種類
スタンド花に付ける立て札には使われる素材によって「木札」と「紙札」の2種類があり、贈る相手や場面によって使い分けられています。
木製の板を立て札として利用する「木札」は改まった印象を与えるため、使用される場面もビジネス用途が中心です。
企業の「開店祝い」や「開業祝い」「移転祝い」にスタンド花を贈る場合の他、贈り先が個人の場合でも「就任祝い」や「当選祝い」などフォーマルな場面には木札が向いています。特に取引先の「開店祝い」や「開業祝い」に胡蝶蘭などのスタンド花を贈る場合はフォーマルな印象が重視されることから、立て札に木札を使うのが一般的です。
厚紙を使った「紙札」は贈り先や来場者にカジュアルな印象を与えるため、改まった雰囲気が敬遠されるプライベートなお祝いに適しています。「結婚祝い」には木札が使われる場合も少なくありませんが、ごく親しい間柄のプライベートなお祝いとしてスタンド花を贈るなら紙札でも構いません。
また、個人が開業した店舗の「開店祝」いや事務所などの「開業祝い」、「引越し祝い」などの際にも個人間でスタンド花を贈る際には紙札が多く使われます。
このような紙札の中にはイラストや装飾入りなどのユニークなデザイン立て札もあって、子供向けのお祝いに最適です。
スタンド花に付ける立て札は縦書きと横書きの2種類にも分けられ、ビジネス用途やフォーマルなお祝いには縦書きが向いています。
立て札にメッセージを添えるときの例文
スタンド花を贈る際には立て札にお祝いの文言やメッセージを添えるのが一般的です。ただ、お祝いの場面によって文言が違ってきます。
ここでは、メッセージの例を紹介していきます。
開業祝いや開店祝い
開業祝いや開店祝いの代表的なメッセージの例は、
「祝 ご開店」
「祝 新装開店」
「祝 ご開業」
「開業祝」
といった一般的な文言に加え、「開店おめでとう」「ご開店おめでとうございます」などがあります。
就任祝い
就任祝いの場合は、
「祝 御就任」
「祝 御昇進」
などの他、「祝 ◯◯御就任」と役職名を文言に加えたり、「ご就任おめでとうございます」といったメッセージを添えたりする例がよく見られます。
当選祝い
当選祝いの代表的なメッセージの例は、
「祝 御当選」
「当選祝」
といったシンプルな文言だけでなく、「祝 ○○議員当選」「当選おめでとうございます」などがあります。
引っ越し・移転祝い
引っ越しや移転祝いでは、
「祝 御引越し」
「引越 祝」
「祝 御移転」
といった文言がよく用いられますが、「引越しおめでとう」「ご移転おめでとうございます」のようなメッセージを添える場合もあります。
結婚祝い
結婚祝いの場合の例は、
「祝 結婚」
「祝 ご結婚」
「結婚祝」といった比較的シンプルな文言もあれば、「結婚おめでとう」などとメッセージを添える場合もあります。
スタンド花の立て札を付けるときのマナー
お祝いのためにスタンド花を贈る場合はお祝い文言だけでなく、贈り主の名前も立て札に必ず書き入れるという点は多くの人が理解しているマナーです。
一方で贈り先の名前は、書き入れる場合と書き入れない場合があり、必ずしも決まっている訳ではないため、立て札を書く際には贈り先名を入れるかどうかで迷ってしまいます。
ビジネスの場面では贈り先名を省略する例が大半ですが、「開店祝い」や「開業祝い」では企業同士でスタンド花を贈る場合でも相手の宣伝効果を狙って贈り先名を記載するのが一般的です。「引越し祝い」や「結婚祝い」など、スタンド花の贈り先が個人の場合でも、贈り先名を記載するのがマナーになっていると言えます。
またビジネスシーンの場合、取引先や目上の人にスタンド花を贈る場合には、立て札の贈り先名に「様」や「御中」などの敬称を付けるのを忘れないようにしなければなりません。
一方、親しい個人にスタンド花を贈る場合にはいろいろな慣習があって、贈り先名の下に「~さんへ」という文言を加えるやり方もあります。
立て札のレイアウトとしては縦書きの例だと一番上に「祝」などの飾り文字を朱書きし、その下の1行目に「御開店」「御結婚」などの文言を同様に朱書きするのが一般的です。
立て札に贈り先名を入れる場合は中央に黒で相手の名前を書き、左端の行に贈り主名として自分の名前を同じく黒で書き入れます。ただし弔事や仏事などのおくやみ事でスタンド花を贈る場合は、「供」などの頭書きも含めすべて黒で書くのがマナーです。
まとめ
このようにスタンド花を贈るときは、付ける立て札にもいろいろ種類やマナーがあり、初めて贈る場合には何かと戸惑ってしまうものです。
スタンド花に立て札を付ける意味を理解していればそうした基礎知識の理解にもつながり、どの相手にも安心してスタンド花を贈れるようになるでしょう。